No.3 1995年頃、ビートルズの某ファンクラブで、ジョージマーティンさんへの質問募集という企画がありました。
何をお伺いしようかといろいろと考えた中、下記のような質問をお願いしてみました。

「なぜアルバムごとにMONO盤とSTEREO盤でミックスや曲の長さなどの違いがあるのか? 制作時に何か意図があって変えたのでしょうか?」

George Martin からの回答

質問から数ヶ月後、なんとファンクラブの会報にジョージマーティンさんから下記のような回答が掲載されました。

「当時我々はMONO MIXをベストとして仕上げることが多かった。
英国オリジナル盤ではMONOとSTEREO盤では少し変化を持たせたほうが面白いので、意図的にやった。一方各国盤を作る際には直接関与していないことがあり、結果的に意図せず別MIXの音源が採用されて発売されることがあった。」

1986〜87年頃までは、日本でもTOSHIBA EMIの86年再発MONOシリーズや、各国のアナログ盤を店頭で取り扱っていたレコード店がまだまだあり、いろいろとアナログ盤を聴くうちに、曲によってはミックス違いがあることが気になっていました。
例えばリボルバーのMONO盤では、Got To Get You Into My LifeのラストでPaulのアドリブがはっきり聴けたり、オランダ盤THE BEATLES GREATESTでは、All My LovingのイントロでRingoがハイハットを5回鳴らす音が収録されていたり、ほかにも様々なMIX違いが多く存在します。

英国盤、とくにMONO MIXはメンバーと相談しながら制作されたそうですが、MIX違いは意図的にやったとのことでそれまでの疑問が解消されました。
今では残念ながら叶いませんが、5人目のビートルズと称されるジョージマーティンさんご本人に直接質問し、回答いただくというとても貴重な機会をいただけたことは人生のお宝になっています。
この本ではジョージマーティンさんの生涯はもちろん、ビートルズとの当時の知られざる興味深いエピソードが掲載されています。

添付画像は、学生時代にバイト先のともだちOさんが、LAに行った際のお土産でくれたVeeJay盤のアルバムです。

曲はPLEASE PLEASE ME英国盤とほぼ同じですが、面の冒頭を飾る、I Saw Her Standing Thereでは、Paulのカウントが1.2.3.4でなく、なぜか4だけになっています。

アメリカでは1982年まで英国盤仕様のアルバムPLEASE PLEASE MEは正式発売されず、それまでは独自の編集盤が出されていたそうです。
Sgt Pepper'までは、アメリカでは制作者の意図を考えず、「売らんかな路線」で勝手に収録曲を変更するなど独自のアルバムづくりが進められ、その後のYESTERDAY AND TODAYのブッチャーカバーを代表とするビートルズの反抗につながっていくんですよね。
そういえば1965年頃のアメリカでのLIVEを聴くと、メンバーのMCでの曲紹介時に「ニューアルバム、ビートルズ65かなんか?からの曲です」というようにアメリカ盤のアルバムタイトルを覚えていないような言い回しがしばしばあります。
ちなみにアメリカ編集盤のRUBBER SOULはなぜかHELP!に収録のI’ve Just Seen A Faceが1曲目です。
THE BEACH BOYSのBrian Wilsonは、当時アメリカ盤のRUBBER SOULを聴いてPet Soundsを制作したとのことですが、もしもはじめから英国盤でDrive My Carからの全曲を聴いていたらどうなったでしょうか?